【特集】「生きがい」と「人手確保」 農業と福祉を結ぶ「農福連携」の可能性<前篇>・宮崎県

12/3(金) 11:57

 障害者への関心と理解を深める障害者週間が3日からスタートします。
 そこで、今回は、「農福連携」に注目します。障害者の生きがいづくりなどを目的に、農業と福祉を結び付ける取り組みが、宮崎県内でも広がり始めています。【前・後篇の前篇】

◆イチゴ農園のケース
 宮崎市にあるイチゴ農園。

(ひなたいちご園 長友一平社長)
「このつるみたいなランナーはいらないので、余分な栄養を必要としないためにとります」

 作業の説明をしているのは、農園の社長を務める男性。

 こちらでは、去年からイチゴの収穫期に、宮崎市内の福祉サービス支援事業所を通して、障害者に働いてもらっています。

(ひなたいちご園 長友一平社長)
「少しでも何か地域貢献ができないかなということで、福祉の方と連携する『農福連携』ということを取り組みたいと思って、お声かけさせてもらいました」

 農業と福祉を結ぶ農福連携。この農園では、数人の障害者らに不要なイチゴの茎を取り除く作業を任せています。

 この日、作業をしていた山元健吾さんもその一人。イチゴ農園での仕事は初めてですが、農業の仕事は自分に合っていると感じています。

(イチゴ園で作業する 山元健吾さん)
「やっていけそうですね。体を動かして仕事するのが自分は好きなので」

◆お互いにメリット
 また、日頃、障害者たちを支援している事業所でも、農業の仕事をすることでいい変化があったといいます。

(サクラプリンテック宮崎 井上貴文施設長)
「利用者さんが、社会の中で仕事ができた、活躍できたということで自信につながり、前向きに仕事をしたいという方が増えてきたことは非常に効果があったという風に感じている」

 さらに、福祉との連携は、慢性的な人出不足に悩む農業の現場にとっても、大きなメリットになっています。

(ひなたいちご園 長友一平社長)
「もう慣れてきたら健常者とほとんど変わらないスピードでもやってもらえますし、精度も同じくらいです。何よりもいいのはユニット(グループ)としてお借りできるので人員が確実に確保できる」【後篇に続く】


※MRTテレビ「Check!」12月2日(木)放送分から

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